はじめに

近年の建設業界では、住宅やオフィスビルの外装・内装工事において、タイル・れんが・ブロック工事の重要性が高まっています。特に2020年以降のコロナ禍を経て、住宅リフォーム需要の拡大や、耐震性・断熱性を重視した建築物の増加により、これらの工事に対する技術的要求も高度化しています。
また、2024年4月から建設業法の一部改正により、建設業許可の取得要件や手続きにも変更が加えられており、タイル・れんが・ブロック工事業を営む事業者にとって、適切な許可取得と維持がより重要となっています。デジタル化の進展とともに、申請代行や申請サポートを求める事業者も増加しており、専門的な知識を持つ行政書士の役割も拡大しています。
目次
- タイル・れんが・ブロック工事業とは
- 工事業の定義と区分
- 工事の種類と具体例
- 建設業許可の取得方法
- 常勤役員等の要件
- 営業所技術者の要件
- 許可申請の流れと必要書類
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
タイル・れんが・ブロック工事業とは
タイル・れんが・ブロック工事業は、建設業法で定められた29業種のうちの一つで、建築物の外装・内装における重要な専門工事業です。この工事業は、建築物の美観向上、耐久性確保、断熱性能向上などの機能を担っており、現代建築において不可欠な工事分野となっています。
建設業許可を取得することで、500万円以上(建築一式工事の場合は1,500万円以上)の工事を適法に受注できるようになり、元請業者からの信頼獲得や工事受注機会の拡大につながります。申請代行サービスを利用することで、複雑な許可手続きを専門家に委託し、本業に集中することが可能です。
工事業の定義と区分
工事業の法的定義
タイル・れんが・ブロック工事業は、建設業法第2条第1項において「れんが、コンクリートブロック等により工作物を築造し、又は工作物にれんが、コンクリートブロック、タイル等を取り付け、又ははり付ける工事」として定義されています。
区分と分類
内装工事と外装工事
- 内装工事:室内のタイル張り、装飾ブロック工事など
- 外装工事:外壁タイル張り、れんが積み工事、化粧ブロック工事など
工法による分類
- 湿式工法:モルタルを用いた接着工法
- 乾式工法:金具やボンドを用いた工法
- 機械工法:専用機械を用いた大型ブロック積み工事
この分野の申請サポートでは、工事内容の適切な分類と許可業種の特定が重要なポイントとなります。
工事の種類と具体例
主要な工事種類
タイル工事
- 外壁タイル張り工事
- 内装タイル張り工事
- 床タイル張り工事
- 浴室・洗面所タイル工事
- 石材タイル工事
れんが工事
- れんが積み工事
- 化粧れんが工事
- 耐火れんが工事
- 煙突れんが工事
ブロック工事
- コンクリートブロック積み工事
- 化粧ブロック工事
- 軽量ブロック工事
- 間仕切りブロック工事
- 擁壁ブロック工事
関連する付帯工事
- 下地調整工事
- 目地工事
- 防水工事(タイル下地)
- 断熱材取り付け工事
これらの工事内容を正確に把握し、適切な許可業種を選択することが、申請代行における重要な業務となります。
建設業許可の取得方法
許可の種類
知事許可と大臣許可
- 知事許可:一つの都道府県内でのみ営業する場合
- 大臣許可:複数の都道府県にわたって営業する場合
一般建設業許可と特定建設業許可
- 一般建設業許可:下請契約の合計が4,500万円未満(建築一式工事は7,000万円未満)
- 特定建設業許可:上記金額以上の下請契約を締結する場合
許可要件の概要
- 常勤役員等要件
- 営業所技術者要件
- 財産的基礎要件
- 欠格要件に該当しないこと
- 社会保険加入要件
- 誠実性要件
申請サポートでは、これらの要件を満たすための具体的な方法や書類準備について詳細な指導を行います。
常勤役員等の要件
経営業務の管理責任者(経管)の要件
令和2年の改正により要件が変更
- 建設業に関して5年以上の経営業務管理責任者としての経験
- または建設業に関して6年以上の経営業務管理責任者に準ずる地位での経験
必要書類と証明方法
- 常勤性を証明する書類(健康保険証の写し、個人事業主は確定申告書 など)
- 経営経験を証明する書類(登記事項証明書 工事請負契約書等 など)
※他にも様々な証明が必要な場合があります。
申請代行サービスでは、これらの書類収集から要件適合性の判断まで、専門的なサポートを提供いたします。
営業所技術者の要件
専任技術者の資格要件
国家資格による場合
- 1級建築施工管理技士
- 2級建築施工管理技士(タイル・れんが・ブロック工事)
- 技能士(タイル張り、ブロック建築、れんが積み等)
学歴・実務経験による場合
- 大学の土木工学・建築学科卒業後3年以上の実務経験
- 高校の土木・建築学科卒業後5年以上の実務経験
- その他の場合は10年以上の実務経験
実務経験の証明
必要な証明書類
- 工事請負契約書
- 注文書・請書
- 確定申告書
- 実務経験証明書 など
実務経験の内容
タイル・れんが・ブロック工事に関する直接的な経験が必要で、単なる補助作業は実務経験として認められません。
申請サポートでは、実務経験の整理と適切な証明書類の準備について、詳細な指導を行います。
許可申請の流れと必要書類
申請の基本的な流れ
- 事前相談・要件確認
- 必要書類の収集・作成
- 申請書類の作成・チェック
- 申請書の提出
- 審査期間(標準処理期間30日)
- 許可通知書の受領
主な必要書類一覧
基本書類
- 建設業許可申請書
- 工事経歴書
- 直前3年の営業年度における工事実績
- 使用人数
- 誓約書
- 常勤役員等証明書
- 営業所技術者証明書
添付書類
- 定款の写し
- 登記簿謄本
- 役員の住民票(無い自治体もあります)
- 身分証明書
- 登記されていないことの証明書
- 財務諸表
- 営業所の写真
申請手数料
- 知事許可:新規申請90,000円、更新申請50,000円
- 大臣許可:新規申請150,000円、更新申請50,000円
申請代行を利用することで、書類不備による再申請のリスクを回避し、確実な許可取得が可能となります。
よくある質問(FAQ)
Q1. タイル工事のみを行う場合でも、この許可が必要ですか?
A1. はい、500万円以上のタイル工事を請け負う場合は、タイル・れんが・ブロック工事業の許可が必要です。金額に関係なく許可を取得することで、受注機会の拡大や信頼性向上につながります。
Q2. 他の業種の許可も同時に取得できますか?
A2. はい、要件を満たせば複数業種の同時申請が可能です。ただし、業種ごとに専任技術者が必要となる場合があります。申請サポートでは、最適な業種組み合わせについてアドバイスいたします。
Q3. 許可取得後の手続きはありますか?
A3. はい、毎年の決算変更届(事業年度終了報告)の提出や、5年ごとの更新申請が必要です。また、役員変更等があった場合は変更届の提出が必要です。
Q4. 実務経験が10年に満たない場合はどうすればよいですか?
A4. 国家資格の取得や、学歴と実務経験の組み合わせで要件を満たす方法があります。申請代行サービスでは、個別の状況に応じた最適な取得方法をご提案いたします。
Q5. 申請から許可までどの程度の期間がかかりますか?
A5. 標準処理期間は30日ですが、書類不備がある場合は補正期間が追加されます。完全な書類で申請すれば、概ね1か月程度で許可が下ります。
Q6. 許可更新の手続きはいつから可能ですか?
A6. 許可有効期間満了日の3か月前から申請可能です。余裕をもって準備することで、事業継続に支障をきたすことなく更新できます。
まとめ
タイル・れんが・ブロック工事業の建設業許可取得は、事業拡大と信頼性向上のために重要な手続きです。許可要件の理解から申請書類の準備まで、専門的な知識と経験が必要となります。
重要なポイント
- 工事内容の正確な把握と適切な業種選択
- 常勤役員等と専任技術者の要件確認
- 必要書類の準備
- 継続的な更新手続きと変更届の提出
申請代行や申請サポートサービスを活用することで、複雑な手続きを専門家に委託し、確実かつ効率的な許可取得が可能となります。建設業許可は事業の基盤となる重要な資格ですので、適切な準備と手続きを行い、安定した事業運営を実現しましょう。
行政書士として、皆様の建設業許可取得を全力でサポートいたします。ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。申請代行から申請サポートまで、幅広いサービスで事業者の皆様をバックアップいたします。

行政書士:岩田雅紀
『環境系専門の専門行政書士』行政書士岩田雅紀事務所代表
産廃業許可、建設業許可申請を主な業務として取り扱っている。
資格:行政書士 天井クレーン 車両系建設機械 etc