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はじめに

近年、建設業界では技術革新と環境配慮の要請により、建築物の高機能化・省エネルギー化が急速に進んでいます。特に板金工事業においては、従来の雨樋や屋根工事から、高性能な金属建材を使用した外装工事、空調システムのダクト工事まで、その守備範囲は大きく拡大しています。

地球温暖化対策としての建築物の断熱・遮熱性能向上、頻発する自然災害に対する耐久性確保、さらには建築物の長寿命化への社会的要請により、金属薄板を用いた専門的な工事技術への需要は年々高まっています。また、大型商業施設や工場建設の増加に伴い、折板屋根や大規模ダクト工事など、高度な技術と豊富な経験を要求される案件も増加傾向にあります。

このような時代背景の中で、板金工事業を営む事業者にとって建設業許可の取得は、単なる法的要件を満たすためだけでなく、技術力の証明と信頼性の向上、そして事業拡大のための必須要件となっています。特に500万円以上の工事を受注する場合には建設業許可が法的に義務付けられており、適切な許可取得により競争力の強化を図ることが重要です。

目次

 

  1. 板金工事業の定義と法的位置づけ
  2. 板金工事業の区分と他業種との境界
  3. 板金工事の種類と具体例
  4. 建設業許可の取得方法
  5. よくある質問(FAQ)
  6. まとめ
  7. さいごに

板金工事業の定義と法的位置づけ

建設業法における板金工事業の基本定義

板金工事業は、建設業法第2条第1項の別表において、29業種の専門工事業の一つとして明確に定義されています。国土交通省の建設業許可事務ガイドラインによれば、板金工事業とは「金属薄板等を加工して工作物に取付け、又は工作物に金属製等の付属物を取付ける工事」として規定されています。

この定義には、単なる金属板の加工だけでなく、その加工した材料を建築物や工作物に取り付ける一連の工程が含まれており、建築物の機能性、安全性、そして美観を確保する重要な役割を担っています。現代建築においては、金属製建材の多様化と高機能化により、従来の概念を超えた高度な技術が要求されるようになっています。

法的根拠と業種区分

板金工事業は建設業法施行令別表において専門工事として位置づけられており、この法的位置づけにより、板金工事業を営む事業者は工事の規模や内容に応じて適切な許可を取得する必要があります。建設業許可の【申請代行】を検討される事業者様は、この定義を正確に理解し、自社の事業内容が板金工事業に該当するかを適切に判断することが重要です。

板金工事業の区分と他業種との境界

一般建設業許可と特定建設業許可の区分

板金工事業の建設業許可は、工事の規模と下請契約の金額により区分されます。一般建設業許可は、元請として1件の工事について下請契約の合計額が4,500万円未満(建築一式工事の場合は7,000万円未満)の場合に必要な許可です。特定建設業許可は、元請として下請契約の合計額が4,500万円以上となる場合に必要で、より厳格な要件が設定されています。

知事許可と大臣許可の区分

営業所の所在地により、都道府県知事許可と国土交通大臣許可に区分されます。一つの都道府県内にのみ営業所を設置する場合は知事許可、複数の都道府県に営業所を設置する場合は大臣許可が必要です。

他業種との重要な境界線

板金工事業を営む上で特に注意が必要な他業種との境界について、実務的な観点から解説します。

建具工事業との境界

金属製サッシ、シャッター、カーテンウォールなどの「建具の製作・取付」は原則として建具工事業に該当します。ただし、建具周りの水切りや見切りなどの薄板金役物は板金工事業の範囲として扱われることが多いです。

 

鋼構造物工事業との境界:鉄骨や大型金属製屋根下地など、工場製作を伴う厚板・骨組主体の構造物は鋼構造物工事業に該当します。板金工事業は薄板の成形・現場取付が中心となります。

 

屋根工事業との境界

瓦葺きなど非金属屋根は屋根工事業に該当しますが、金属屋根(折板・立平葺・横葺など)は板金工事業が原則となります。

 

管工事業との境界(ダクト工事)

空調用ダクトは、地域の運用により「板金工事業」または「管工事業」に振り分けられることがあります。ダクト専業で公共工事等を受注する場合は「管工事業」の取得を求められることもあるため、発注者仕様や自治体運用の確認が重要です。

これらの境界判断は複雑であり、【申請サポート】の専門家による適切なアドバイスが有効です。

板金工事の種類と具体例

屋根・外壁関連工事

板金工事業の中核をなすのが屋根・外壁関連工事です。具体的には以下のような工事が含まれます。

 

屋根板金工事

立平葺、瓦棒葺、横葺、折板屋根(重ね型・はぜ締め型)、タイトフレーム、雪止め金具、笠木・棟包み、谷樋・軒先役物、改修時のカバー工法などがあります。近年では、太陽光パネル設置に伴う屋根板金工事や、省エネルギー対応の高機能屋根材を使用した工事が増加しています。

 

外壁・役物工事

金属サイディング、スパンドレル、胴縁・下地への取付、コーナー役物、出隅・入隅、サッシ廻り水切り、パラペット笠木などの工事が含まれます。

 

雨樋・排水関連工事

軒樋・竪樋、集水器、受金具、ドレン周り板金、ルーフドレンカバーなど、建物の雨水処理に関わる重要な工事です。

 

フラッシング・見切り工事

屋根と外壁の取り合い、水切り、土台水切り、笠木端部、貫通部(煙突・配管)廻りの板金被覆など、防水性能を確保するための重要な工事です。

 

ダクト工事

空調用角ダクト・スパイラルダクトの成形・吊り込み・支持金物、断熱板金などがあります。ただし、案件により管工事業での対応が求められる場合があるため注意が必要です。

 

厨房・産業設備関連工事

業務用厨房設備における排気フードやダクト、ステンレス製設備の製作・設置、工場の煙突工事、貯水槽の板金工事、プラント設備の配管板金工事などが含まれます。

建設業許可の取得方法

許可取得の必要性と効果

板金工事業において、1件の請負代金(消費税込み)が500万円以上の工事を請け負う場合、建設業許可が法的に義務付けられています。許可を取得することで、大規模工事の受注が可能となり、社会的信用の向上、公共工事への参入機会の獲得など、事業拡大に直結するメリットが得られます。

許可要件の概要

建設業許可を取得するためには、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。

 

  • 常勤役員等(経営業務の管理責任者)の設置
  • 営業所ごとの専任技術者の配置
  • 請負契約に関する誠実性
  • 財産的基礎または金銭的信用
  • 欠格要件に該当しないこと
  • 社会保険加入

申請手続きの流れ

  • 事前相談・要件確認: 許可要件の確認と必要書類の整理
  • 必要書類の収集・作成: 膨大な申請書類の準備
  • 申請書の提出: 管轄行政庁への書類提出
  • 審査: 標準処理期間は知事許可で約30日、大臣許可で約120日
  • 許可取得: 許可通知書の交付

複雑な手続きを確実に進めるため、【申請代行】サービスの活用が効果的です。

よくある質問(FAQ)

Q1: 金属屋根のカバー工法のみでも板金工事業の許可は必要ですか?

A1: 1件の請負金額が500万円以上(税込み)の場合は建設業許可が必要です。500万円未満でも、元請業者の取引要件や公共工事の参入を考慮すると、許可取得をお勧めします。【申請代行】により、スムーズな許可取得が可能です。

 

Q2: 空調ダクト工事は板金工事業の許可で施工できますか?

A2: 民間工事では板金工事業の許可で施工可能な場合が多いですが、公共工事や特定の発注者では管工事業の許可を要求される場合があります。案件の性質と発注者の要件を確認し、必要に応じて業種追加を検討することをお勧めします。

 

Q3: 個人事業主でも板金工事業の許可は取得できますか?

A3: はい、個人事業主でも建設業許可の取得は可能です。法人と同様に、経営業務の管理責任者や専任技術者の要件、財産的基礎の要件などを満たす必要があります。

 

Q4: 実務経験10年の証明が困難な場合はどうすればよいですか?

A4: 工事契約書や請求書などの直接的な証明資料がない場合でも、工事台帳、現場写真、顧客からの証明書、同業者の証明などを組み合わせて実務経験を証明できる場合があります。【申請サポート】により、最適な証明方法をご提案いたします。

 

Q5: 許可取得後の維持管理で注意すべき点は?

A5: 許可取得後は、決算変更届(毎事業年度終了後4ヶ月以内)、各種変更届(役員変更は2週間以内、その他は30日以内)、5年ごとの更新申請が必要です。また、標識の掲示、帳簿の備え付け・保存も義務付けられています。

 

Q6: 他の建設業種との兼業は可能ですか?

A6: 可能です。ただし、それぞれの業種ごとに専任技術者の配置が必要です。関連性の高い業種や特定の資格があれば兼任が可能な場合もあります。最適な業種構成について【申請サポート】でアドバイスいたします。

まとめ

板金工事業の建設業許可取得は、事業の信頼性向上と持続的成長のための重要な投資です。許可要件である常勤役員等の設置、専任技術者の配置、財産的基礎の確保、誠実性の維持、欠格要件への該当回避を確実に満たすことが必要です。

特に板金工事業においては、他業種との境界線が複雑であり、ダクト工事における管工事業との関係など、専門的な判断が求められる場面が多くあります。また、申請書類の準備には専門的な知識と豊富な経験が必要であり、不備のない申請を行うためには十分な準備期間の確保が重要です。

建設業許可は取得して終わりではなく、継続的な維持管理が必要です。決算変更届の提出、各種変更届の提出、5年ごとの更新申請など、適切な手続きを継続することで許可を維持し、事業の発展につなげることができます。

さいごに

板金工事業の建設業許可取得は、複雑な要件と多数の書類準備を伴う専門的な手続きです。しかし、適切な許可を取得することで、500万円以上の大規模工事の受注が可能となり、社会的信用の向上、公共工事への参入機会の獲得など、事業にとって計り知れないメリットがもたらされます。

当事務所では、豊富な経験と専門知識を活かした【申請代行】サービスを提供しており、お客様の事業内容に応じた最適な許可取得をサポートいたします。許可要件の診断から書類作成、申請手続き、許可取得後の維持管理まで、一貫した【申請サポート】により、お客様の貴重な時間と労力を節約し、本業に集中していただける環境を提供いたします。

当事務所の【申請代行】【申請サポート】サービスの特徴

 

  • 複雑な許可要件の的確な判定とアドバイス
  • 他業種との境界線判断や最適な業種構成の提案
  • 工事実績の棚卸と実務経験証明の構成支援
  • 営業所実体の整備から社会保険対応まで包括的サポート
  • 電子申請・紙申請両対応での書類作成と提出代行
  • 許可取得後の継続的な維持管理サポート

 

建設業許可に関するご相談は、経験豊富な行政書士が対応いたします。「いつまでに許可が必要」「ダクト工事も受注したい」「人員体制に不安がある」など、現状と目標をお聞かせください。要件ギリギリのケースほど、早めの戦略設計が効果的です。

初回相談は無料で承っております。お気軽にお問い合わせください。貴社の板金工事業の受注拡大とコンプライアンス強化を、実務に強い行政書士が全力でサポートいたします。

参考文献

国土交通省「建設業法」「建設業法施行令」「建設業法施行規則」

国土交通省「建設業許可事務ガイドライン」

国土交通省「建設工事の種類と内容」

各都道府県「建設業許可申請の手引」

厚生労働省「技能検定(建築板金・ダクト板金)制度」

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