【時代背景】なぜ今「盗難金属」対策が必要なのか?

昨今、鉄・銅・アルミといった金属価格の高騰を背景に、盗難被害が全国で急増しています。特に、ソーラーパネルの電線・エアコン室外機・側溝の蓋・鉄橋部材など、公共・民間を問わず盗難の対象となるケースが後を絶ちません。
これらの金属類はスクラップ業者などで売買・処分されるケースが多く、警察も「盗品の流通ルートを断つ必要がある」と判断。これを受け、政府は新たに「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律」を制定し、スクラップ・金属買取業者の登録制度を導入する方針を固めました。
目次
- 法律の正式名称と施行日
- 盗難特定金属製物品とは何か?
- 法律の対象となる事業者とは?
- 新制度で義務付けられること
- 違反した場合の罰則は?
- 登録の流れと必要書類
- よくある質問(Q&A)
- 申請代行・申請サポートのご案内
- まとめ
法律の正式名称と施行日
正式名称:「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律」
公布日:平成7年6月20日
施行予定日:公布から1年以内に施行予定
盗難特定金属製物品とは何か?
この法律における「盗難特定金属製物品」とは、以下のような、過去に盗難被害が多発した金属製の品物を指します。
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銅線(電線)
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ソーラーパネルの部品
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アルミ製の建材
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鉄製側溝の蓋
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電車のレール部材
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工事現場の足場材
これらは再資源化が可能で、高値で取引されることから、窃盗犯のターゲットになりやすく、スクラップ業者で換金されやすいという背景があります。
法律の対象となる事業者とは?
以下のような業種の方々は、この法律の対象となります。
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スクラップ業者
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金属くず商
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中間処理業者
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再生資源回収業者
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一部の建設業者・解体業者(処分目的で保管・売買する場合)
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新制度で義務付けられること
施行後、次のような義務が課されます。
登録制度の導入(都道府県知事への登録申請)
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事業を開始するには都道府県知事への登録が必須
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登録番号の取得が必要(更新制)
処分記録の作成・保存義務
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受け取った金属類の詳細記録
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仕入れ日時・相手方情報・数量・写真など
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3年間以上の保存義務
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身分証明書の提示・記録保存
本人確認義務
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売却相手の身分証確認・記録
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適正な相手との取引であることの確認責任
登録証の掲示義務
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事務所や作業場に登録証を見える場所に掲示
違反した場合の罰則は?
法律に違反した場合、次のような罰則があります。
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無登録営業:6か月以下の懲役または50万円以下の罰金
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記録義務違反:30万円以下の罰金
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本人確認を怠った場合:業務停止命令の可能性
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重大な違反があった場合:登録取り消し・刑事責任
登録の流れと必要書類
登録申請は、各都道府県が窓口となります。以下は標準的な手続きの流れです。
登録までのステップ
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事前相談(必要に応じて)
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書類の準備
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申請書提出(都道府県窓口)
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審査(数週間~1ヶ月程度)
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登録証の交付
必要書類(想定)
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登録申請書
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法人登記簿謄本
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個人及び法人の役員や5%以上の株主の住民票
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個人及び法人の役員や5%以上の株主の身分証明書
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役員の履歴書や誓約書
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事業計画書
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車両や保管場所の写真
よくある質問(Q&A)
Q1. 登録しないで営業していたらどうなる?
A1:無登録営業は刑事罰の対象です。営業停止・罰金が科される可能性があります。
Q2. 金属をたまに買い取るだけでも登録が必要?
A2:継続的な処分・売買を行う場合は原則必要です。グレーゾーンの場合は行政書士にご相談ください。
Q3. 産廃業と重複する部分はどう整理すべき?
A3:産廃業許可とは別の制度です。場合により両方の許可が必要になります。
【まとめ】今後の対応ポイント
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法律は令和7年6月20日公布(公布後1年以内に施行予定)
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対象事業者は必ず登録申請が必要
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本人確認・記録保存義務が発生
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無登録営業には罰則あり
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【参考文献】
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警察庁「盗難金属対策に関する報道資料」
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内閣府 令和5年 法律案概要資料
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各都道府県産業廃棄物指導課・資源循環課の案内資料(埼玉県・神奈川県など)