建設業工事29業種の説明

皆さんこんにちは。今回は建設業工事29業種ある内の1つ、『土木一式工事』について解説したいと思います。

【この記事を監修】
行政書士:岩田雅紀
『産廃業許可の専門行政書士』行政書士岩田雅紀事務所代表
資格:行政書士 天井クレーン 車両系建設機械 etc

目次

  • 土木一式工事とは?
  • 土木一式工事の内容
  • 土木一式工事を取得するメリット
  • 土木一式工事を取得するデメリット
  • 土木一式工事を取得する要件
  • まとめ

土木一式工事とは?

土木一式工事とは29種類あるうちの一業種で、2種類ある一式工事の一つの建設工事業種になります。

土木一式工事とは、大規模で複雑な工事や、とび・土工・コンクリート工事などの単一工事であっても、個別の専門工事として施工することが困難な場合に行われます。

この種の工事は、大規模で複雑な工事が一般的で、元請業者の立場で運営管理する建設業者が取得する許可が必要です。

専任技術者になるためには、一定の資格や実務経験が必要です。具体的には、一級建設機械施工技士、1級土木施工管理技士などの資格があります。また、資格がなくても、建築一式工事の施工について10年以上の実務経験を有する人、または専門学校などを卒業された学歴と実務経験3年~5年で、土木工事業の専任技術者になることができます。

ただし、土木一式工事の許可があっても、その他27業種の専門工事を単体で請け負えるわけではないので、注意が必要です。一定金額以上の建築系の専門工事を単体で請け負うには、それらの許可も取得する必要があります。

土木一式工事の内容

土木一式工事は、土木工作物を建設するための総合的な企画、指導、調整を伴う工事を指します。
専門工事の組み合わせ:単一工事であっても、工事の規模、複雑性等からみて個別の専門工事として施工することが困難なものは土木一式工事に含まれます。

  • 大規模かつ複雑な工事:元請業者の立場で、複数の下請業者を管理して施工する大規模で複雑な工事というイメージです。
  • 土木一式工事には、次のようなものがあります。
    • 道路工事
    • トンネル工事
    • 橋梁工事
    • ダム工事
    • 護岸工事

また、土木一式工事の許可を受けるためには、一定の専任技術者の要件を満たす必要があります。具体的には以下のような資格を持つ人が必要です

  • 1級建設機械施工技士
  • 2級建設機械施工技士(第1種~第6種)
  • 1級土木施工管理技士
  • 2級土木施工管理技士(土木)
  • 建築一式工事業に関して、10年以上の実務経験がある場合

この他にも必要な要件がありますが(後ほど説明)それらを満たすことで、土木一式工事の許可を取得することができます。ただし、「土木一式工事の許可で、何でもできる」という誤解がありますが、専門工事を行うためには、その専門工事の許可が必要となります。この点については注意が必要です。

土木一式工事を取得するメリット

土木一式工事の許可を取得することには、以下のようなメリットがあります。

 

  • 契約が簡略化できる: 土木一式工事の許可を持つ業者は、土木工作物の全工程を請け負うため、契約が一つで済みます。これにより、契約の手続きが簡素化され、管理が容易になります。
  • 管理がしやすい: 土木一式工事の許可を持つ業者は、全工程を統括するため、工事の進行状況を一元的に把握しやすく、効率的な管理が可能です。
  • 責任の所在が明確化できる: 土木一式工事の許可を持つ業者は、全工程の監督責任を負うため、責任の所在が明確になります。
  • 幅広い業務を請け負うことが可能: 土木一式工事の許可を持つ業者は、新築、増改築、大規模改修など、様々な種類の建築工事を請け負うことができます。
  • 信頼性の向上: 土木一式工事の許可を持つ業者は、その許可を取得するために一定の資格や実務経験を必要とするため、施主からの信頼性が向上します。

土木一式工事を取得するデメリット

 

  • 時間と費用: 建築一式工事の許可を取得するためには、一定の資格や実務経験が必要であり、これらを満たすためには時間と費用がかかります。
  • 管理負担: 土木一式工事の許可を持つ業者は、全工程を統括するため、工事の進行状況を一元的に把握し、効率的な管理が必要となります。
  • 専門工事の制限: 土木一式工事の許可があっても、27種類の専門工事を単体で請け負えるわけではないので、注意が必要です。一定金額以上の建築系の専門工事を単体で請け負うには、それらの許可も取得する必要があります。

これらのデメリットを考慮に入れつつ、建土木一式工事の許可を取得するかどうかを決定することが重要です。

土木一式工事を取得する要件

建設業許可を取得する場合、常勤役員等(経営業務の管理責任者)、専任技術者要件など、6つの要件をクリアしなければなりません。

  1. 常勤役員等(経営業務管理責任者): 許可申請者が法人の場合は常勤の役員、個人の場合は事業主本人が、経営業務管理責任者であることが要件です。以下のいずれかに該当する者であることが必要です。

    • 建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有する者。
    • 建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として5年以上経営業務を管理した経験を有する者。
    • 建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として6年以上経営業務の管理責任者を補助する業務に従事した経験を有する者。
  2. 専任技術者: 許可申請者の役員や従業員の中に、専任技術者がいることが要件です。以下のいずれかに該当する者であることが必要です。

    • 1級建設機械施工技士
    • 2級建設機械施工技士(第1種~第6種)
    • 1級土木施工管理技士
    • 2級土木施工管理技士(土木)
    • 技術士:建設・総合技術監理
       建設「鋼構造及びコンクリート」総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)
       農業「農業土木」総合技術監理(農業「農業土木」)
       水産「水産土木」総合技術監理(水産「水産土木」)
       森林「森林土木」総合技術監理(森林「森林土木」)
    • 高等専門学校、大学・短期大学にて指定の学科(土木工学、都市工学、衛生工学、交通工学)を卒業し、3年以上の実務経験がある者。
    • 高等学校、中等教育学校、専修学校にて指定の学科を卒業し、5年以上(専修学校において専門士、高度専門士であれば3年)の実務経験がある者。
    • 土木一式工事業に関する10年以上の実務経験がある者
  3. 適切な社会保険に加入していること
  4. 請負契約に際し誠実性があること
  5. 財産的基礎、金銭的信用があること
  6. 欠格要件に該当していないこと

以上の要件を満たすことで、建築一式工事の許可を取得することが可能です。

建設業法施行規則の一部改正について(令和5年7月1日施行)
令和5年5月12日、「施工技術検定規則及び建設業法施行規則の一部を改正する省令」が公布され、一般建設業許可の営業所専任技術者の要件の緩和が行われました。これにより、1級の第1次検定合格者を大学指定学科卒業者、2級の第1次検定合格者を高校指定学科卒業者と同等とみなすこととなりました。

※元請け受注し、かつ下請工事発注の金額が4500万円以上の場合、特定建設業許可が必要となります。

まとめ

土木一式工事のまとめ

  1. 元請けの立場
  2. 総合的な企画、指導、調整が出来る
  3. 請負い代金500万以上

以上の工事を受注する場合は、建設業許可申請をして建設業者にならなければ、工事をすることが出来ません。

土木一式工事について簡単に説明しましたが、もっと詳しく知りたい、又は専任技術者になるにはどのようにすればいいのか。様々な悩みがあると思いますが、弊所では丁寧に説明致します。遠慮なくご相談下さい!

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