はじめに

千葉県で産業廃棄物収集運搬業許可の取得をお考えの事業者様へ。本記事では、行政書士として数多くの産廃許可申請をサポートしてきた実績から、千葉県における許可取得の最新情報と手続きの全てを詳しく解説いたします。
令和7年1月から千葉県でも電子申請・電子納付が本格導入され、手続きが大幅に効率化されています。これは千葉県の事業者様にとって大きなメリットとなる変化です。
目次
- 産業廃棄物収集運搬業制度の歴史と背景
- 千葉県の産業廃棄物収集運搬業許可の基本情報
- 最新の申請方法と電子化のメリット
- 許可取得までの具体的な流れ
- 必要書類と準備のポイント
- よくあるご質問(Q&A)
- まとめ
産業廃棄物収集運搬業制度の歴史と背景
制度成立の時代背景
産業廃棄物収集運搬業の許可制度を理解するためには、その歴史的背景を知ることが重要です。
戦後復興から高度経済成長期(1950-1970年)
戦後の日本では、1954年に「清掃法」が制定されました。当時のゴミ処理は主に人力で行われ、市町村がその責任を負っていました。しかし、1955年から1973年にかけての高度経済成長期において、日本は大量生産・大量消費型の経済構造へと急速に変化しました。
環境問題の顕在化
高度経済成長に伴い、以下のような深刻な問題が発生しました:
- 産業廃棄物の急激な増加
- 不法投棄の頻発
- 処理困難な廃棄物の拡大
- 公害問題や大気汚染の深刻化
既存の「清掃法」では、これらの新たな課題に対処することが困難となりました。
廃棄物処理法の制定(1970年)
1970年の第64回臨時国会(公害国会)において、清掃法が全部改正され「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」が制定されました。この法律により、事業系廃棄物の処理責任が明確化され、産業廃棄物という概念が確立されました。
制度の発展
その後、制度は段階的に発展してきました:
- 1977年:処理業の許可制度開始
- 1991年:特別管理廃棄物制度の導入、マニフェスト制度の導入
- 1998年:マニフェスト制度の全面適用
このような歴史を経て、現在の産業廃棄物収集運搬業許可制度が確立されています。
千葉県の産業廃棄物収集運搬業許可の基本情報
許可の種類
千葉県では以下の2種類の産業廃棄物収集運搬業許可があります。
- 産業廃棄物収集運搬業許可
一般的な産業廃棄物を対象
- 特別管理産業廃棄物収集運搬業許可
爆発性、毒性、感染性等を有する廃棄物を対象
申請区分
- 新規許可申請:初めて許可を取得する場合
- 更新許可申請:既存許可の更新(5年ごと)
- 変更許可申請:取扱い品目の追加等
申請手数料
申請区分 | 産業廃棄物 | 特別管理産業廃棄物 |
---|---|---|
新規許可申請 | 81,000円 | 81,000円 |
更新許可申請 | 73,000円 | 74,000円 |
変更許可申請 | 71,000円 | 72,000円 |
最新の申請方法と電子化のメリット
千葉県の電子化の取り組み
令和7年1月6日から重要な変更
千葉県では、令和7年1月6日から「ちば電子申請サービス」を利用した電子納付による手数料の納付を開始しました。また、令和7年4月1日からは、収入証紙による受付を廃止し、完全に電子化されています。
埼玉県の先進事例から見るメリット
埼玉県では既に電子申請・電子納付システムが導入されており、その利便性が実証されています:
埼玉県の電子化の特徴:
- 電子申請・届出サービスによる完全オンライン申請
- クレジットカード、ペイジー、コード決済による電子納付
- 郵送申請も可能(予約制)
- 申請から納付まで一括処理
千葉県事業者様へのメリット:
- 24時間申請可能:窓口時間に縛られない
- 決済方法の多様化:クレジットカード等での支払い
- 書類郵送の簡素化:電子申請との組み合わせ
- 処理時間の短縮:デジタル化による効率化
千葉県の申請方法
現在、千葉県では以下の申請方法が利用できます:
- 窓口申請 + 電子納付
- 郵送申請 + 電子納付
許可取得までの具体的な流れ
STEP 1: 講習会の受講
公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが実施する講習会を受講し、修了証を取得してください。
STEP 2: 申請予約(千葉県の場合)
千葉県では事前予約制を採用しています。千葉県のウェブサイトから申請日時を予約してください。
STEP 3: 申請書類の準備
最新の手引きに基づき、必要書類を準備します。
STEP 4: 申請・納付
- 窓口申請:予約日時に窓口へ持参
- 郵送申請:一般社団法人千葉県産業資源循環協会宛に郵送
- 手数料納付:ちば電子申請サービスによる電子納付
STEP 5: 審査期間
標準処理期間:60日(土日祝日除く)
STEP 6: 許可証交付
審査完了後、許可証が交付されます。
必要書類と準備のポイント
基本的な必要書類
- 産業廃棄物収集運搬業許可申請書
- 事業計画の概要
- 講習会修了証の写し
- 定款又は寄附行為の写し
- 登記事項証明書
- 住民票の写し(役員全員分)
- 成年被後見人等に該当しない旨の登記事項証明書
- 車両の車検証の写し
- 運搬容器等の写真
※その他にも提出する書類が発生する場合があります。
準備のポイント
住民票の郵送請求も可能
各市町村では住民票の郵送請求が可能です。定額小為替(額面+手数料200円)と往復切手を使用することで、効率的に必要書類を収集できます。
法人の場合の注意点
役員全員分の住民票が必要となるため、事前に役員構成を確認し、計画的に書類収集を行うことが重要です。
よくあるご質問(Q&A)
Q1: 許可取得にはどのくらいの期間がかかりますか?
A1: 千葉県では標準処理期間を60日(土日祝日除く)としています。ただし、書類の不備がある場合は、補正対応により期間が延長される場合があります。
Q2: 電子納付はどのような方法で行えますか?
A2: 令和7年1月から「ちば電子申請サービス」を通じて、クレジットカード決済による電子納付が可能となりました。従来の収入証紙による納付は令和7年4月1日で廃止されています。
Q3: 郵送申請は可能ですか?
A3: はい、可能です。一般社団法人千葉県産業資源循環協会宛に郵送してください。ただし、事前予約が必要で、予約日の10日前から前日までに到着するよう郵送する必要があります。
Q4: 複数の都道府県で業務を行う場合はどうすればよいですか?
A4: 産業廃棄物を収集する場所と運搬先がそれぞれ異なる都道府県にある場合、それぞれの都道府県で許可を取得する必要があります。
Q5: 許可の有効期間はどのくらいですか?
A5: 許可の有効期間は5年間です。継続して業務を行う場合は、有効期限内に更新許可申請を行う必要があります。
Q6: 変更が生じた場合の手続きは?
A6: 取扱い品目の追加等は「変更許可申請」、役員変更や住所変更等は「変更届出」が必要です。変更の内容により手続きが異なりますので、詳細は専門家にご相談ください。
Q7: 優良認定制度とは何ですか?
A7: 一定の基準を満たす優良な処理業者に対して、許可の有効期間を7年に延長する制度です。透明性の向上や環境配慮の取り組みが評価されます。
Q8: 申請を行政書士に依頼するメリットは?
A8:
- 複雑な書類作成の代行
- 法令改正への対応
- 申請スケジュールの管理
- 補正対応の迅速化
- トータルでの時間短縮とコスト削減
- 許可取得後の変更内容などアフターフォローに対応
まとめ
千葉県の産業廃棄物収集運搬業許可は、令和7年からの電子化により、より便利で効率的な手続きが可能となりました。埼玉県などの先進県の事例を見ても、電子申請・電子納付システムの導入は事業者様にとって大きなメリットをもたらしています。
当事務所のサポート内容:
- 電子申請対応:最新の電子申請システムに完全対応
- 書類作成代行:複雑な申請書類を専門家が作成
- スケジュール管理:講習会受講から許可取得まで一括管理
- 継続サポート:許可取得後の変更手続きや更新もサポート
- 他県対応:複数都道府県での許可取得も対応可能
産業廃棄物収集運搬業許可の取得は、制度の歴史と背景を理解し、最新の手続き方法を活用することで、スムーズに進めることができます。
千葉県での産業廃棄物収集運搬業許可取得をお考えの事業者様は、ぜひ当事務所までお気軽にご相談ください。豊富な実績と最新の知識で、お客様の事業展開を全力でサポートいたします。
【この記事を監修】
行政書士:岩田雅紀
『産廃業許可の専門行政書士』行政書士岩田雅紀事務所代表
資格:行政書士 天井クレーン 車両系建設機械 etc